2018.08.22

司法書士の渡邉です。

 

お盆に親族が集まって故人の財産について話し合ったご家庭も多いことでしょう。 先日寄せられたご相談内容を一部ご紹介します。

 

不動産の名義が曾祖父となっており、用地買収のため登記の名義変更を行いたいとのことでした。

依頼人の方が把握しているだけでも相続人が7名おり、かろうじて連絡が出来るという程度の親族関係だそうです。

県外にいらっしゃる方がほとんどでしたので、私どもで戸籍収集を行ったところ、困ったことにさらにあと4人の相続人が見つかりました。 離婚により親族づきあいをたっていたものの、お子さんがいたため相続関係が広がっていました。

 

 

対応策として、こちらからは以下の御提案をいたしました。

 

①まず遺言書や過去の相続手続資料の有無を再確認する。

 曾祖父の方だけでなく、相続権を持ったまま亡くなった方の資料を再度探すようお願いしました。  過去の資料が運良く上手く使えれば、相続人を絞ることが出来るかもしれません。  相続放棄をしているかどうか、家庭裁判所に照会することもありますが、今回は今の段階では照会は見送る事となりました。

 

②連絡が取れる相続人の方に、新たに見つかった相続人の方と連絡が取れないか確認してもらう。

 自分は連絡を取っていなくても、親族の方が連絡を取っていたり、葬儀等で顔を合わせているいるケースがあります。  そのような場合には思い切って親族の方を頼り、窓口になってもらうことも大切だと思います。

 

③調査した住所宛に手紙を送り、相続手続に協力してもらえるかどうか投げかける。  

お手紙を送り、協力したくない場合にも返事をもらうように依頼する文章で、先方の意思を確認します。  

※私どもは弁護士ではありませんので、相続人の間に入って仲裁や仲介ということはできません。

 

このような作業を行い、反応を待つことになりました。 もちろん、お手紙を出しても無反応と言うこともありえます。 その場合には、家庭裁判所にて遺産分割調停の手続を進めて頂く事になります。

用地買収のために動いているので、時間的制約がありますが、思うように作業が進まない場合、 1年以上かかってしまうこともあります。

 

まずは無事に返信があることを祈るのみです。

 

相続手続は現在は義務ではありませんが、後々相続人が増えてしまい大変な思いをすることもあります。 なるべく早く済ませることをおすすめします。