【2024年最新】自筆証書遺言と公正証書遺言の違いを徹底解説|親の相続対策で知っておくべきポイント

2026.05.21
【2024年最新】自筆証書遺言と公正証書遺言の違いを徹底解説|親の相続対策で知っておくべきポイント

遺言書について考える時期が来ていませんか?

「親もだいぶ年を取ってきたし、そろそろ相続のことを考えなければ…」そんな思いを抱えながらも、なかなか親御さんと相続の話をするのは難しいものです。特に、北陸にいる親御さんと離れて暮らしている方にとって、遺言書の準備は重要な課題の一つでしょう。

遺言書には主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があります。どちらを選ぶかによって、作成の手間や法的な確実性、そして残された家族の負担が大きく変わってきます。今回は、それぞれの特徴や違いについて、実際のケースを交えながら詳しく解説していきます。

自筆証書遺言とは?メリット・デメリットを理解する

自筆証書遺言の基本的な仕組み

自筆証書遺言は、遺言者が自分の手で全文を書く遺言書です。2018年の法改正により、財産目録部分についてはパソコンで作成することも可能になりましたが、遺言書の本文と日付、署名は必ず自筆で書く必要があります。

さらに2020年7月からは、法務局での自筆証書遺言保管制度が始まり、作成した遺言書を法務局で保管してもらうことができるようになりました。

自筆証書遺言のメリット

1. 費用がほとんどかからない
紙とペンがあれば作成できるため、基本的に費用は発生しません。法務局での保管を利用する場合でも、保管料は3,900円と比較的安価です。

2. いつでも気軽に作成・修正できる
思い立ったときに自宅で作成でき、内容を変更したい場合も自由に書き直すことができます。

3. 秘密を保持できる
他人に内容を知られることなく、完全に秘密裏に作成することが可能です。

自筆証書遺言のデメリット

1. 法的要件を満たさないリスク
形式的な不備により無効になる可能性があります。例えば、日付の記載方法(「吉日」などの曖昧な表現は無効)や、訂正方法の間違いなどが問題となることがあります。

2. 発見されない・紛失のリスク
自宅で保管している場合、相続人が遺言書の存在に気づかなかったり、紛失してしまったりする可能性があります。

3. 検認手続きが必要
法務局で保管していない自筆証書遺言は、相続開始後に家庭裁判所での検認手続きが必要となり、相続人に手間と時間がかかります。

公正証書遺言とは?確実性の高い遺言書作成方法

公正証書遺言の基本的な仕組み

公正証書遺言は、公証人が遺言者の口述に基づいて作成する遺言書です。公証役場で、公証人1名と証人2名の立会いのもとで作成され、原本は公証役場で厳重に保管されます。

公正証書遺言のメリット

1. 法的な確実性が高い
法律の専門家である公証人が作成するため、形式的な不備で無効になるリスクがほとんどありません。

2. 検認手続きが不要
相続開始後、家庭裁判所での検認手続きを経ることなく、すぐに遺言の内容を実行できます。

3. 紛失・改ざんの心配がない
原本が公証役場で保管されるため、紛失や第三者による改ざんの心配がありません。

4. 体が不自由でも作成可能
病気などで字が書けない場合でも、口述によって作成することができます。

公正証書遺言のデメリット

1. 費用がかかる
公証人手数料や証人への謝礼など、相応の費用が必要です。遺産総額により異なりますが、一般的に5万円~15万円程度かかることが多いです。

2. 証人が必要
2名の証人が必要で、相続人や受遺者は証人になれないため、適切な証人を確保する必要があります。

3. 完全な秘密保持は困難
公証人と証人には遺言の内容が知られてしまいます。

実際のケースで比較してみる

ケース1:福井在住のAさん(78歳)の場合

福井市内で一人暮らしをするAさんは、東京にいる長男と大阪にいる長女に自宅と預貯金を相続させたいと考えていました。最初は自筆証書遺言を作成しましたが、司法書士法人GKでの相談を通じて公正証書遺言に変更することにしました。

結果として、Aさんが亡くなった後、お子さんたちは検認手続きの手間を省くことができ、スムーズに相続手続きを進めることができました。特に遠方にいるお子さんたちにとって、何度も福井に足を運ぶ必要がなかったことは大きなメリットでした。

ケース2:金沢在住のBさん(82歳)の場合

Bさんは自筆証書遺言を作成し、法務局での保管制度を利用しました。比較的シンプルな内容の遺言でしたが、法務局での形式チェックにより、記載内容に問題がないことが確認できました。費用を抑えながらも、ある程度の安全性を確保できた事例です。

どちらを選ぶべき?判断のポイント

自筆証書遺言が適している場合

・遺産がシンプルで、相続関係も複雑でない
・費用を最小限に抑えたい
・法務局での保管制度を利用する
・内容を頻繁に変更する可能性がある

公正証書遺言が適している場合

・遺産が多額または複雑
・相続関係が複雑(前配偶者との間に子がいるなど)
・確実性を重視したい
・相続人が遠方にいて、手続きの負担を軽減したい
・体が不自由で自筆が困難

遺言書作成で注意すべきポイント

共通して気をつけるべき点

1. 遺留分への配慮
配偶者や子には遺留分という最低限の相続権があります。これを完全に無視した遺言は、後々トラブルの原因となる可能性があります。

2. 具体的で明確な記載
「長男に多めに」といった曖昧な表現ではなく、「長男○○に不動産を、長女○○に預貯金を相続させる」など、具体的に記載することが重要です。

3. 定期的な見直し
家族状況や財産状況の変化に応じて、遺言書の内容も見直すことが大切です。

まとめ:親御さんとの話し合いを大切に

遺言書の作成は、親御さんの意思を尊重しながら進めることが最も重要です。自筆証書遺言と公正証書遺言、それぞれにメリット・デメリットがありますが、親御さんの状況や希望、そして相続人となる皆さんの状況を総合的に考慮して選択することをお勧めします。

特に、北陸と東京・大阪という距離がある場合、相続手続きの際の負担軽減も重要な検討要素となります。一度、親御さんと相続について話し合い、必要に応じて専門家のアドバイスを求めることで、皆さんが安心できる相続対策を進めることができるでしょう。

遺言書作成に関するご相談や具体的な手続きについては、お気軽に専門家にご相談ください。親御さんの想いを確実に形にし、ご家族の将来の安心につなげるお手伝いをさせていただきます。


この記事に関するご相談は、司法書士法人GKへ。
オンラインで全国対応しています。

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寄稿者:司法書士 渡邉 健介